2014/05/14

iTunes Match 「第3の壁」を突破するためのアプリ



iTunes Matchを使うにあたって突き当たってきた壁があります。
まずは、iTunes Match上陸したってよ!というニュースに際し、便利さと年3980円という価格の間でモヤモヤした第1の壁。
やっと導入を決心できたと思ったら、次に立ちはだかるセットアップの高い壁。これを突破すると、どこでも好きな音楽に触れていられる幸せの平原が広がっているのかと思いきや、すぐさま待ち構える第3の壁、曲選びメンドクセ

これまで何千曲を持ち歩いていた方にとっては違和感はないのでしょうけれど、iPhoneに入れる曲は吟味しまくって、せいぜい100曲くらいしか入れてなかった人間にとって、iTunes Matchというのは劇的な変化です。すっかり長くなったアーティストや曲名のリストをスクロールさせるのすら最初は楽しいのですが…すぐに面倒になってくる。

おそらく、こういう時のためにあるのがプレイリスト。…でも、作るのメンドクセ。
おそらく、そんな人のためにあるのがGenius Mix。…でも、あまりGeniusじゃない気がしてなりません。スピッツのあとにMICHELLE GUN ELEPHANT流すんだ、ふーん…というような、「それちょっと違う」感が拭い切れない。(同居させてるお前が悪いと言われそうですが。)

勝手にいい感じのプレイリストを作っておいてくれるセンスのいい親切なおっさんがいたら、その人に頼みたいくらい。そんな時に出会った、というか思い出した無料アプリ、Groove – スマート音楽プレーヤー。ご存知の方にはいまさら感がアリアリかと思いますが、まさに「適当に」プレイリストを作ってくれます。



last.fmという、これまた使っている方は100も承知の音楽特化SNSみたいなサービスのデータを元に、「いい感じ」のプレイリストをたくさん提案してくれます。あとは、いちいち複数の選択肢を要求して自分で決定したがる中小企業のワンマン社長みたいな気分で、ただプレイリストを選ぶだけでOK。再生はiTunes Matchのストリーミングにも対応しています。
実際に使ってみると、なかなかの選曲です。「お、わかっとるやないかキミ」と思うこともしばしば。基本的な機能は「ユーザ登録」のような作業が不要で使えるのもうれしいところ。

正直なところ100曲そこらしかiPhoneに入ってなかったときには、あまりメリットもないので見向きもしなかったアプリなのですが。突如あらわれた大量の楽曲の海に溺れている同じような方には是非オススメしたいです。

マッチ 500ml×24本
by カエレバ

2014/05/09

iTunes Match 体験記というかレビューというか



とうとう日本でもはじまったiTunes Matchですが、私にしては珍しくサービスイン間もないこんな時期に使用開始してしまいましたので、雑感です。

セットアップ

具体的な手順はほかにゆずるとして(…っていうか直感でできるレベルだと思いますが)いざセットアップ処理が始まると…ウワサ通り処理が進みません。ちまたで話題、というより阿鼻叫喚になっている通り、明らかに固まってるんじゃないの?って状態になります。ちょこっと調べてみると、世の中で出回っている対応オプションは3つ。
  1. iTunesの再起動
  2. いったんiTunes Matchを停止して、メニュー[Store]→[サインアウト]でサインアウトしてからログインしなおし、再びiTunes MatchをONにしてコンピューターを認証させる
  3. いったんiTunes Matchを停止して、メニュー[Store]→[iTunes Matchをアップデート](「更新」って表示されてる場合もあるようです)でアップデート
もちろん全部試しましたが、どれをやったところで進むときは進むし、進まない時は進まない。結局は全部同じような処理が走っているように見えます。振り返ると一番ライトな、3.の「アップデート」を繰り返すだけで良かったんじゃないかなと思います。
また、固まっているようにみえても、ホントに処理が遅いだけの場合もありますので要注意です。曲のアップロードなんかはホントに遅い。要忍耐。

これまた実感でしかありませんが、どのオプションを取るかよりも、実行する時間帯のほうが重要な要素だった気がします。夜は固まって、朝方は進む印象。...ホント実感でしかないんですけど。
この実感がホントなら、つまりはマッチングに使っているサーバーが混んでるだけなのかもしれません。もしそうなら、Appleがオフィシャルに「ちょっと待って」とか発表してくれるだけでもずいぶんと事態は好転しそうなんですが…(そういうネガティブなことはなかなか認めないのがAppleの常ですよねぇ…。)

この点はUSのサービスインから3年近くの余裕があったとは思えない事態です。フツーは2、3年もあれば大方の障害は修正されていて当然なわけです。
日本のユーザーが想定外に多かったのか、先行国でも同様に発生していたが、マッチング処理が殺到するサービスイン直後だけの話なので放置されていたのか。
なんにせよ3年間で修正されてないってことは、このまま放置されつつ、遅いながらも処理はよちよち進むのでマッチング完了していない人が自然減(?)していくに任せられそうな気がしなくもないです。イライラしたくない方は、あと1ヶ月くらい様子を見てみてもいいかもしれません。

マッチング結果

私のライブラリは5000曲/40GB程度です。このうち「マッチ」したのが3000曲程度、マッチせず「アップロード」されたのが2000曲程度。これが多いのか少ないのかは…あまり公開している記事などを見つけられなかったので不明でが、昔テキトーにエンコードしたMP3があるので、個人的にはもうちょっとマッチして欲しかったです。

同じアルバム内でもマッチングしたものとしないものが混在していたりするので、どうやらタグ情報ではなく、一曲一曲の波形やリズムを解析して判断しているというウワサは正しそうな印象です。BeatlesやOasis、Blurのようなメジャーどころも、曲によってはマッチングしてなかったりします。またiTunes Storeで販売されていてもマッチしない曲も多々あります。この辺はエンコードの状態と運次第な気がします。

iPhoneでの使用感

買い替えの時期を逃し続けて、私のiPhoneはまだiPhone4だったりします。つまり、LTEではなく、まだ3G通信なわけです。そんな環境でもiTunes Matchのストリーミング再生は期待以上に快適でした。(きっとマッチングとは違うサーバーなんでしょうね…)

1曲を選んでストリーミングすると、曲が流れるまでに3秒くらいの待ち時間はありますが、プレイリストをそのまま連続で流せば、先読みしているようで、ほぼ待ち時間もなく聴けました。これまでのところ再生が始まってしまえば、曲の途中で途切れたりすることもありません。電車やクルマなどでの高速移動中はまだ試せていませんが、ストリーミングではなくiPhone上にダウンロードしておくこともできるので、どちらにしろ対策はできます。

この使用感ですと音楽を大量に持ち歩いているような方は、iPhoneのモデルを32GB→16GBのように下げてしまって問題ないんじゃなかろうかという気がします。iPadやMacに大量に曲を入れている場合は、ストレージ容量が少ないモデルで十分になるかもしれないです。そう考えると、年間3980円の評価は変わってくるかもしれませんね。
ただし、LTE通信は月7GBの制限が付いている場合が多いので、ストリーミングだけで使い倒すのも考慮しなければいけない点ではあります。(…そう考えると、制限なし3G通信できるiPhone4がいまさら熱かったりして!?)

Macでの使用感

家には2台のMacがあるのですが、片方はストレージ容量128GBのMacBook Airです。こちらはSSDの容量が小さいので、iTunesをほぼ使っていませんでした。
iTunes Matchで、そのMacBook Airでも音楽がフルに聴けるようになりました。MacBook Airをいじっていることが多いので、私にはiPhoneよりもこちらでの恩恵の方が大きくなりそうです。

新規にライブラリを作ってiTunes MatchをONにすると、すべての曲がストリーミング再生できるようになります。この状態のまま、つまり曲を一切ダウンロードせずにストリーミングで使うと、iTunesライブラリのサイズは300MB程度ですので、貧乏ストレージでも大丈夫です。

雑感 - iPhoneとPCの決別?

iPhoneは、だんだんとPC無しで使えるようになってきた経緯があるわけですが、iTunes Matchは決定打になっている気がします。iTunes上にいわゆる「フルバックアップ」をとることくらいしか、PCとiPhoneが紐付いている意義がなくなったんじゃないでしょうか。
今のiPhoneですと、最低限のバックアップはiCloud上に直接とれますので、iPhoneとPCを接続するのは、ホントに音楽を移す時くらいになっていました。iTunes Matchは、それすら必要なくなってしまいます。

こうなると、iTunesの位置付け自体が変わっていくかもしれません。もうクラウドのインタフェースとして機能してくれればいいので…変なデータをダウンロードさせるなよって気にすらなります。さらに一般的になっていけば、Macのコンシューマー向けはすべてをクラウドに置くChrome Bookのような感じで十分になっていくかもしれませんね。

不満点

セットアップは…まぁ言わずもがな。

まずは、タグ情報が…良くも悪くも従来のユーザ側の情報が引き継がれていくようです。(あまりちゃんと確認はしていないので、ちょっと自信ないですけんども。。)
これまでも、めちゃくちゃなまま放置しつつ使ってきたので、そこまで気にしないのですが、せっかくなのでiTunes Storeとかでオーソライズされた情報がバシッと入って欲しいと思うのは私だけでしょうか。ジャンルが、もう混沌としすぎて修正する気にもならんw

あとは、家族との共有です。Appleの製品群って、独身のギークがひとりで使う分には快適な風に設計されていると思うのですが、家族で使うとなるとなかなか障害が多いです。私と妻とで、同じ曲を買わねばならんのかい?みたいな状況になったりする。iTunes Matchも、2人とも申し込む必要があるのかコレ?
先行しているUSの人も悩んでいるハズ!ということで、英語で調べてみると...悩んでるぞって情報はあるのですが…決定打はやはり見付けられませんでした。
家族で共有するためのIDを作って、iTunesでは全部それを使う。iCloud用はフツーに家族で分けておく。という人がいて、一番現実的でしっくりする解決法ではありました。ですが…これまでに個別のIDで買い物しまくってると、なかなかやりづらいですよね…。なんとかならんでしょうかね。

マッチケース ワンタッチ開閉式
by カエレバ

2014/05/08

MacBook Air 2014 が遅い!って本当?

1111" MacBook Air / p_a_h

発売されたばかりのMacBook Air 2014ですが、SSDの速度が2013年モデルよりも遅くなっているという記事がちらほら。気になって調べてみました。

「遅くなっている!」という記事はLab tested: New 2014 MacBook Air benchmarksというMacWorldのベンチマークデータを元にしている模様。(リンク先の「Finder Test」の数値ですね。)
本文中にも触れられていますが、画面サイズ・容量の違うSSDの比較になっている上、メーカーが明らかではありません。

一般にSSDは大容量のほうが高速です。同じシリーズのSSDだと大抵はそういう傾向です。解りやすい理由の一つが、搭載しているフラッシュメモリの数が、大容量のほうが単純に多くなるので、並列に処理できる量が増えるというもの。道路が1車線よりも2車線のほうが、いっぱいクルマとおるよね、という感じでしょうか。SSDの容量が違うと、そもそもの土俵が違ってしまいます。
また、MacBook Airの2013年モデルにはもともとメーカーによる速度の差異が知られていました。Samsung製とSunDisk製の存在が確認されていましたが、Samsung製のほうがベンチマークは良く、書き込み速度では倍近くの差が出るケースがあるという情報もありました。

そんなわけで、この記事からだけだと「なんとも言えない」というのが、正当な評価だと思います。

…とか書いているうちに、MacRumor経由のOWCなるブログに、すんばらしいベンチマークがありました。

かいつまむと、2014年と2013年のモデルで、SunDisk製のSSDはベンチマーク的に一緒。つまり問題のベンチマークは「2014年モデル遅い!」じゃなくって、(2013年からあった問題でいまさらだけど)「SunDisk遅い!」ってことなんじゃあなかろうかという気配です。
...ですので、超絶に神経質な方以外は、そこまで気にせずに買っちゃっていんじゃないの?と思うんです。前からあるお話ですし、どうせ購入者はSSDのメーカーを選べませんので。
 
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2014/05/02

iTune Match とうとう日本でサービスイン!

ItunesItunes / fdecomite
とうとうiTunes Matchが日本でも開始されたようです。
年間3980円。USでは24.99ドルなので…ちょっとアレ?っと思わなくもないですが。確実に便利になりそうですので、思案のしどころです。

本国USから遅れること実に3年。誇張ではなく忘れかけた頃に…という感じではありますが、iTunes Matchは、現在持っている音楽をすべてAppleのクラウドに保存しておけるサービスです。
たとえば、これまで必要だったPCのiTunesからiPhoneへ音楽をダウンロードしておくような手間がいらなくなります。iPhoneで直接クラウド上からストリーミングしたりダウンロードしたりできるわけです。
CDからリッピングしたこれまでのライブラリは、最初にクラウド登録する必要があります。iTunes Storeで購入した音楽は、勝手に追加されて、登録している全てのデバイスで瞬時にストリーミングして聞けるようになります。

クラウド上に保存と言っても、実は手持ちのライブラリのすべての曲が全部アップロードされるわけではありません。
まずは手持ちのライブラリの曲がAppleのiTunes Storeにあるかどうか調べる、という処理があり、iTunes Storeにない曲だけがアップロードされます。だからiTunes Match。たぶん。

iTunes Storeで見つかった曲は、そのままiTunes Store上の256Kbps AACというフォーマットの音源が使われます。つまり、適当にエンコードしたMP3なんかは音質が良くなったのが聞けちゃう可能性があるってこと。逆に音質に超絶なこだわりをもって、FlacとかLosslessしか使わない人なんかは、この点でNGかもしれませんね。
この仕組みは、Appleもクラウドの容量を節約できるというメリットがありそう。

ユーザにとっては、ライブラリのバックアップや環境の移行作業から解放されるというのも大きなメリットといえるかもしれません。きっとバックアップはAppleがいい感じでやっといてくれてるので、「このPC壊れたらライブラリがぜんぶ消えちまう」みたいなハラハラもなくなるのです。

よく似たサービスにamazonのCloud Playerというのもあります。
このサービスも日本で一応サービスインしているものの、日本版はクラウド上への「インポート」ができず、ただamazonで購入したmp3だけをクラウドから聞けるというなんともマヌケなものになっています。もちろんUS版では手持ちの既存ライブラリをクラウド上にぜんぶ「インポート」して使え、Cloud Playerだけで完結させることができます。

何が言いたいかというと、日本の著作権利関係を突き崩すのって大変なんですね、ということが、このamazonの致命的に妥協してる状態や、iTunes Match実現にかかった3年間という月日に思うわけです。
iTunes Matchが実現したということは、Cloud Playerの「フル機能」も近いかもしれませんので、非Appleユーザももう少しの辛抱かもしれませんね。
電子書籍におけるKindleにも同じことが言えるかと思いますが、一度使い出すと乗り換えづらいサービスだけに、Cloud Playerより先にフル機能を実現させた意義は大きいと思います。

さて、年間3980円。思案のしどころです。


2014/05/01

Hulu 夏からiOSで広告付き無料動画配信

Hulu at OSCONHulu at OSCON / Garrett Heath

…といっても、米国内だけの話。よくあるよくある。

動画配信サービスのHuluが、この夏からiPhoneやiPadでも広告付きで無料試聴ができるようになるようです。
広告付きで無料というのは、実は米のPC版では行われていたサービスなのですが、それがiOSでも可能になるというもの。

日本ではどうなるのかというと…Huluの日本事業は日テレに買い取られてしまったので、あまりテレビを殺すような画期的なことはやれないだろうと思います。
そもそも、米Huluのサービスは基本的にGyaoみたいな感じのようです。広告付き無料で数話みられるのが基本にあって、お金を払えば全話みられるHulu Plusってのがオプション。 定額ビデオ・オン・デマンドって感じの日本のサービスとはまったく違うわけです。

そんな周辺事情を考えると、日本でははじまりそうにないなと思わずにいられない感じです。
地デジの利権がんじがらめで、録画済み番組を持ち出すのさえ苦労する日本でこそVODは、はやってほしかったんですけどね。。

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