とうとう
日本でもはじまったiTunes Matchですが、私にしては珍しくサービスイン間もないこんな時期に使用開始してしまいましたので、雑感です。
セットアップ
具体的な手順はほかにゆずるとして(…っていうか直感でできるレベルだと思いますが)いざセットアップ処理が始まると…ウワサ通り処理が進みません。ちまたで
話題、というより阿鼻叫喚になっている通り、明らかに固まってるんじゃないの?って状態になります。ちょこっと調べてみると、世の中で出回っている対応オプションは3つ。
- iTunesの再起動
- いったんiTunes Matchを停止して、メニュー[Store]→[サインアウト]でサインアウトしてからログインしなおし、再びiTunes MatchをONにしてコンピューターを認証させる
- いったんiTunes Matchを停止して、メニュー[Store]→[iTunes Matchをアップデート](「更新」って表示されてる場合もあるようです)でアップデート
もちろん全部試しましたが、どれをやったところで進むときは進むし、進まない時は進まない。結局は全部同じような処理が走っているように見えます。振り返ると一番ライトな、3.の「アップデート」を繰り返すだけで良かったんじゃないかなと思います。
また、固まっているようにみえても、ホントに処理が遅いだけの場合もありますので要注意です。曲のアップロードなんかはホントに遅い。要忍耐。
これまた実感でしかありませんが、どのオプションを取るかよりも、実行する時間帯のほうが重要な要素だった気がします。夜は固まって、朝方は進む印象。...ホント実感でしかないんですけど。
この実感がホントなら、つまりはマッチングに使っているサーバーが混んでるだけなのかもしれません。もしそうなら、Appleがオフィシャルに「ちょっと待って」とか発表してくれるだけでもずいぶんと事態は好転しそうなんですが…(そういうネガティブなことはなかなか認めないのがAppleの常ですよねぇ…。)
この点はUSのサービスインから3年近くの余裕があったとは思えない事態です。フツーは2、3年もあれば大方の障害は修正されていて当然なわけです。
日本のユーザーが想定外に多かったのか、先行国でも同様に発生していたが、マッチング処理が殺到するサービスイン直後だけの話なので放置されていたのか。
なんにせよ3年間で修正されてないってことは、このまま放置されつつ、遅いながらも処理はよちよち進むのでマッチング完了していない人が自然減(?)していくに任せられそうな気がしなくもないです。イライラしたくない方は、あと1ヶ月くらい様子を見てみてもいいかもしれません。
マッチング結果
私のライブラリは5000曲/40GB程度です。このうち「マッチ」したのが3000曲程度、マッチせず「アップロード」されたのが2000曲程度。これが多いのか少ないのかは…あまり公開している記事などを見つけられなかったので不明でが、昔テキトーにエンコードしたMP3があるので、個人的にはもうちょっとマッチして欲しかったです。
同じアルバム内でもマッチングしたものとしないものが混在していたりするので、どうやらタグ情報ではなく、一曲一曲の波形やリズムを解析して判断しているというウワサは正しそうな印象です。BeatlesやOasis、Blurのようなメジャーどころも、曲によってはマッチングしてなかったりします。またiTunes Storeで販売されていてもマッチしない曲も多々あります。この辺はエンコードの状態と運次第な気がします。
iPhoneでの使用感
買い替えの時期を逃し続けて、私のiPhoneはまだiPhone4だったりします。つまり、LTEではなく、まだ3G通信なわけです。そんな環境でもiTunes Matchのストリーミング再生は期待以上に快適でした。(きっとマッチングとは違うサーバーなんでしょうね…)
1曲を選んでストリーミングすると、曲が流れるまでに3秒くらいの待ち時間はありますが、プレイリストをそのまま連続で流せば、先読みしているようで、ほぼ待ち時間もなく聴けました。これまでのところ再生が始まってしまえば、曲の途中で途切れたりすることもありません。電車やクルマなどでの高速移動中はまだ試せていませんが、ストリーミングではなくiPhone上にダウンロードしておくこともできるので、どちらにしろ対策はできます。
この使用感ですと音楽を大量に持ち歩いているような方は、iPhoneのモデルを32GB→16GBのように下げてしまって問題ないんじゃなかろうかという気がします。iPadやMacに大量に曲を入れている場合は、ストレージ容量が少ないモデルで十分になるかもしれないです。そう考えると、年間3980円の評価は変わってくるかもしれませんね。
ただし、LTE通信は月7GBの制限が付いている場合が多いので、ストリーミングだけで使い倒すのも考慮しなければいけない点ではあります。(…そう考えると、制限なし3G通信できるiPhone4がいまさら熱かったりして!?)
Macでの使用感
家には2台のMacがあるのですが、片方はストレージ容量128GBのMacBook Airです。こちらはSSDの容量が小さいので、iTunesをほぼ使っていませんでした。
iTunes Matchで、そのMacBook Airでも音楽がフルに聴けるようになりました。MacBook Airをいじっていることが多いので、私にはiPhoneよりもこちらでの恩恵の方が大きくなりそうです。
新規にライブラリを作ってiTunes MatchをONにすると、すべての曲がストリーミング再生できるようになります。この状態のまま、つまり曲を一切ダウンロードせずにストリーミングで使うと、iTunesライブラリのサイズは
300MB程度ですので、貧乏ストレージでも大丈夫です。
雑感 - iPhoneとPCの決別?
iPhoneは、だんだんとPC無しで使えるようになってきた経緯があるわけですが、iTunes Matchは決定打になっている気がします。iTunes上にいわゆる「フルバックアップ」をとることくらいしか、PCとiPhoneが紐付いている意義がなくなったんじゃないでしょうか。
今のiPhoneですと、最低限のバックアップはiCloud上に直接とれますので、iPhoneとPCを接続するのは、ホントに音楽を移す時くらいになっていました。iTunes Matchは、それすら必要なくなってしまいます。
こうなると、iTunesの位置付け自体が変わっていくかもしれません。もうクラウドのインタフェースとして機能してくれればいいので…変なデータをダウンロードさせるなよって気にすらなります。さらに一般的になっていけば、Macのコンシューマー向けはすべてをクラウドに置くChrome Bookのような感じで十分になっていくかもしれませんね。
不満点
セットアップは…まぁ言わずもがな。
まずは、タグ情報が…良くも悪くも従来のユーザ側の情報が引き継がれていくようです。(あまりちゃんと確認はしていないので、ちょっと自信ないですけんども。。)
これまでも、めちゃくちゃなまま放置しつつ使ってきたので、そこまで気にしないのですが、せっかくなのでiTunes Storeとかでオーソライズされた情報がバシッと入って欲しいと思うのは私だけでしょうか。ジャンルが、もう混沌としすぎて修正する気にもならんw
あとは、家族との共有です。Appleの製品群って、独身のギークがひとりで使う分には快適な風に設計されていると思うのですが、家族で使うとなるとなかなか障害が多いです。私と妻とで、同じ曲を買わねばならんのかい?みたいな状況になったりする。iTunes Matchも、2人とも申し込む必要があるのかコレ?
先行しているUSの人も悩んでいるハズ!ということで、英語で調べてみると...悩んでるぞって情報はあるのですが…決定打はやはり見付けられませんでした。
家族で共有するためのIDを作って、iTunesでは全部それを使う。iCloud用はフツーに家族で分けておく。という人がいて、一番現実的でしっくりする解決法ではありました。ですが…これまでに個別のIDで買い物しまくってると、なかなかやりづらいですよね…。なんとかならんでしょうかね。