2013/06/23

新しいMacProがiPad以来の傑作になりうる理由


先日のWWDC2013で"チラ見せ"発表されたMac Pro。
あまりに画期的(?)な見た目にばかり注目しがちですが
内部的にも十分に画期的なもののようです。
This machine fascinates me not because it seems like it’ll make everything I currently do faster. It fascinates me because it’s fundamentally new. There’s only one CPU socket and it bets heavily on the bus and GPU performance. 
この機械に私が魅了されるのは今やっていることの全てが速くなりそうだから、というわけではありません。まったく新しいものだからです。たった1つのCPUソケットしか無く、バス(CPUとインタフェースをつなぐ信号路)とGPU(グラフィック用のプロセッサ)のパフォーマンスに(性能は)賭かっています。

ソフトウェア的にこれまでと似たようなMacに思えますが、そうではありません。能力が従来のものではありません。CPUは、これまでより高速なバスにつながれた2つの高性能で強力な並列プロセッサ(GPUのこと)の前にあります。GPUのうちの1つはグラフィック専用ではありません。これが大きな違いだと思います。
もし強力な並列GPUを1秒もかかるような処理に費やしてディスプレイの表示が固まってしまったら、問題になります。ひとつのGPUはディスプレイ描画に専念し、2つ目のGPUは大きな処理に利用できれば、素晴らしいほどツカえる環境が手に入ります。

"GPGPU"という考え方があります。
歴史的に汎用の処理はCPU、グラフィック処理はGPUに受け持たせてきたのですが
近年のGPUの高性能化に伴って、従来CPUに行わせていた処理の一部を
GPUにやらせてみようというコンセプトです。
どうやらMac Proはそれを積極的に導入した構造であるようです。

そもそもが"プロ用途"の製品ラインですので
恩恵を受ける人は限られているかもしれませんが
Appleの革新性が失われてきたなどという論調が多くなってきた中でも
地道に先進的・実験的なことをしているようです。

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